ルチル文庫「恋愛小説家は夜に誘う」感想   

2008年 04月 02日

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 恋愛小説家は夜に誘う 著:水上ルイ イラスト:街子マドカ ルチル文庫

 文芸編集部の新人・小田雪哉は、そのやる気とは裏腹、可憐な容姿を揶揄われ「身体で原稿をとる」と噂を立てられ悩んでいた。理想と現実のギャップにため息ばかりのある日、スランプ中の作家・大城貴彦を担当することに。足しげく通ううち、格好よくてイジワルな大城を小田は作家として以上に意識してしまい、大城にも秘めた想いがあるようで……?


 以下、結構辛い感想とかを書いてます。お気をつけ下さい。
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 私が本を買うときは可能な時は立ち読みして中身を確認してから(再度読みたいと思ったら)買うのですが、今回は袋に入っていたし、イラストが街子マドカさんだったこともあって確認しないで買いました。

 ルチル文庫では「王子様の甘美なお仕置き」(イラスト:佐々成美)以来、水上ルイさんの本は久しぶりに購入したのですが、全然作風が変わっていなくて……。スミマセン、買ったことを後悔してしまいました。本の厚みが薄いな~とは思ったのですが、内容も薄かったです。(スミマセン、飽くまで個人的な意見ですので)

 新人編集の雪哉は福島県出身で進学の為に東京に上京しました。家は経済的に豊かで、家も大きかったのか雪哉の読書量はかなりのものです。有名作家の本を恐らく全てハードカバーで購入して暗記するくらい何度も読んでいるようです。そしてイタリアンなどの料理にも詳しい。
 ちょっと現実的に考えると雪哉が庶民なら、セレブの行きつけのお店で出される料理を全く物怖じもせずに食べられるワケないでしょ。少しくらい緊張する筈。 大城の部屋に泊まった翌日の朝食メニューは正にセレブの臭いがするし。
 でもその反面、服に関しては全くの庶民なんですよねー。雪哉っていうキャラの背景がイマイチ掴めない。

 大城も、町で見かけた雪哉に一目惚れしてしまった以来のスランプ…はともかく、それを高柳に打ち明けたのはどうしてなのか? 思いが通じる筈無いと思っているなら何故?
 というか、突然大城がスランプに陥って、担当の高柳が理由を問い詰めるシーンとかもあって良いと思うの。そして高柳に苦しい胸の内を打ち明ける大城が読みたかったです。なんか先にどこかに高柳と羽田の話があって、こっちの話がシリーズ2冊目スピンオフみたいな感じがします。最初から話が当人同士の間だけで通ってて、読者は置いてけぼりっぽい感じがしました。いきなり「ロマネコンティを開けてくれたら雪哉を担当にしますよ(職権乱用?)」なんて言われても、こっちは急展開すぎて「は?」です。

 ようやく想いが通じて、これからH? かと思いきや、大城がプロットを思いついた為に雪哉はその気になっていたところを一晩放ったらかしに。いや、それはオモシロイんだけど、放ったらかしにされた翌朝の描写があったらもっとオモシロかったと思うの。
次のページになったら二人はベネチアに居てビックリした。それまでの過程はカットかよ。ベネチアでのラブラブエッチの次のページでは、もう本が完成していて猶木賞の発表日になってるし。
展開速いなー。もうちょっと幸せっぷりを書いて欲しかったなー。
例えば…だけど、

 プロットを書き終えてハッと我に帰る大城。自分が疋田の部屋に居て、傍らには雪哉が居て。恐らく焦って放ったらかしにしたコトを詫びたであろう大城。大城のスランプ脱出が嬉しくて、全然気にしていない雪哉。それはそれでホッとするけど、反面気に入らない大城。
プロットを読んで大感動している雪哉に、プロットが通ったら取材を兼ねてのベネチア旅行に誘う大城…
…とかさ。高柳にバレバレで気まずい大城と雪哉とか。

誰でも考えることだろうけど、ベタでもこの過程はある程度必要じゃね?
 そして想いが通じてからベネチアに行くまでどれくらいの期間があったか書かれてないけど、初Hがベネチアとは。雪哉が忙しくなったのか休暇を取るためにがんばった為なのでしょう。大城さんは我慢したのねー。

 ハッ! そういえば、雪哉が個人としての大城のどこに惹かれたのか分からなかった! ルックスと家柄? 感性は作家としての魅力だし。助けてくれた時に一目惚れってことは…顔か!! そーか、だから大城についての記述があまり掘り下げられてなかったのかぁ。納得。

 雪哉の部署の高柳副編集長と大城の元同居人の羽田という、最初からシリーズ化を狙ったような他のカップリングの登場は私としてはどうかと思います。でも出たら買ってしまうかも。もう少し雪哉と大城の話を読みたいから。だって浅くて中途半端なんだもん。受賞後も担当をやっているのか、同居しているのか…とかサ。
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by saigakuji_x20a | 2008-04-02 22:29 | 小説 | Comments(0)

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